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RF 校正
96040A (4 GHz) と 96270A (27 GHz) RF 低位相雑音基準信号発生器は、RF 校正システムの重要な機能を搭載しており、実用性と効率を最大限まで高めます。RF 校正に特化した設計がされており、優れた位相ノイズ性能、内蔵周波数カウンター、ワイドオフセット位相ノイズ・フィルター・アクセサリーを備えています。
RF およびマイクロ波校正の対象周波数レンジ
RF およびマイクロ波校正では、直流および低周波数交流(DCおよびLF)校正で扱われる周波数よりも高い周波数を対象としています。その境界はあまり明確ではありませんが、大体1 ~ 10 MHz 領域であると考えられています。多くの場合、RF およびマイクロ波校正は校正施設内の別々のラボで実施され、マイクロ波校正はさらに別のラボで実施されます。これにも特定の境界があるわけではありませんが、通常マイクロ波周波数は数 GHz を超える周波数であると考えられています。100 GHz 前後のさらに高い周波数の場合には、ミリ波という用語がよく使用されます。校正施設ごとの周波数の区分の仕方に関わらず、これらの信号の校正には共通する要素が多々あります。
RF およびマイクロ波校正と DC/LF 校正の違い
最も大きな違いは、RF およびマイクロ波校正器およびシステムでは、相互接続(同軸ケーブル、またはさらに高い周波数では導波管)に整合伝送線路を使用することです。
RF 校正で測定されるパラメーター
RF 電力と、それがどの程度整合性がありソースから負荷へと供給されるかという2点がRF校正の重要なパラメーターです。通常、伝送線路の特性インピーダンスとの整合性は電圧定在波比(VSWR)、反射係数、およびSパラメーターで表されます。
不整合はRF校正における測定の不確かさの大きな要因ですが、これは機器の出力と入力の整合性、および機器の相互接続に使用されるケーブルおよびコネクターから生じます。高性能なコネクターおよびケーブルを使用し、これらを慎重に扱うことで、不整合と不確かさの原因を最小限に抑えることができます。
RF およびマイクロ波試験機器の校正には他にも多くのパラメーターや特性を測定しますが、数が多すぎるため(また、通常これらは機器に固有であるため)、ここでは触れません。
RF 校正の従来の実施方法
多数の専用校正器が存在する DC/LF校正とは異なり、RF およびマイクロ波校正のために専用に設計された校正器は(フルーク 9640A シリーズ RF 基準信号発生器を除いては)実質的にありません。RF およびマイクロ波校正においては、必要とされる機能と性能を揃えるためには試験機器を何台も集めなければなりません。
集めた試験機器は、特定の種類の計器専用のシステムや、複数の種類の計測器を校正できるシステムとして組み立てられます。また、特定の校正作業に合わせてラボにある機器を一時的に集めて、作業の完了後にまた元に戻すこともあります。
非常に多くのシステム計器が関連しているため、試験対象のユニットまたは装置(UUT/DUT)との接続のために多くの設定が必要になります。スイッチングによって測定誤差や不確かさが生じるため、スイッチングおよび多重化は、高い周波数では特に、行えません。
校正プロセスは手動でも行えますし、ソフトウェアを使用してシステム被校正器を制御し、自動化することもできます。測定品質を損なうことなく信号の切り替えを自動化するのは難しいため、RF およびマイクロ波校正が完全に自動化されることはまれです。
従来の自動化システムでは、ユーザーが頻繁に介入して相互接続を変更しなければなりません。このため人為的なミスの可能性が高く、担当者に高いスキルが要求されます。また、設定変更に備えて待機しなければならないこともよくあります。
RF およびマイクロ波校正システムで一般に使用される計器の種類
従来のシステムでは通常、信号発生器、レベル・ジェネレーター、ファンクション・ジェネレーター、電力計、測定レシーバー、スペクトラム・アナライザー、RF およびマイクロ波カウンター、ネットワーク・アナライザー、オーディオ・アナライザー、オシロスコープ、デジタル・マルチメーターなどが使われています。これらの機器は校正専用に設計されているわけではなく、システムの一部として使用される汎用試験計器です。信号発生器は、RF 校正器で必要な性能を備えていないため、十分なレベルおよび減衰確度を供給するためにはパワー・メーターや校正されているステップ減衰器と共に使用する必要があります。スペクトラム・アナライザー校正など、低高調波が重要な場合は外部フィルターが必要です。高性能なスペクトラム・アナライザーの校正には、低位相ノイズ性能を備えた信号発生器も必要です。
RF およびマイクロ波校正の対象
校正システム内で使われる機器の多くが校正対象にもなります。信号発生器、スペクトラム・アナライザー、パワー・メーター、電力センサーは、最も一般的な対象機器です。その他の対象機器には、RF ミリボルト計、信号レベル・メーター、モジュレーション・アナライザー/レシーバー、およびカウンター/タイマーがあります。
効率を高めてコストを下げるには
RF およびマイクロ波校正システムの中心に RF 校正専用に設計されたフルークの 9640A シリーズ RF 基準信号発生器を据えることで、9640A 1台で多くのシステム機器やアクセサリーを置き換えることができます。独自の機能と性能の組み合わせにより、9640A シリーズは汎用信号発生器よりも明らかに優れた製品となっています。9640A シリーズを取り入れることにより、システム・コストを半減し、さらにシステム・オペレーターの時間を最大 50% 開放、その間に他の作業を行うことができます。9640Aは手動で操作することもできますし、MET/CALソフトウェアと組み合わせて自動化することもできます。
その他の情報
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RF calibration best practice guide: coaxial connectors »
Understanding phase noise in RF and microwave calibration applications »
Measuring and Certifying Phase Noise Performance of a Low-Noise RF »
従来の RF 校正ソリューション
RF およびマイクロ波校正専用に設計された校正器は(フルークの 9640A シリーズを除いて)実質的にありません。RF およびマイクロ波の校正手順は複雑で、多くの汎用試験機器、アクセサリー、コンポーネント、ケーブル、アダプター、およびコネクターが関係しています。一般的に校正システムは、ユーザーが自身でシステムを開発し組み立てて構築します。自動化は、自分でプログラムを記述したり、市販の試験システム自動化ソフトウェアを使用するなどして行うのが通常です。大きな組織では、システム・インテグレーターに依頼して校正システムを構築することもあるでしょう。計測器メーカーの中には自社のRF およびマイクロ波製品の校正用のソフトウェア・パッケージを提供しているところもありますが、これらはそのメーカーの製品を校正標準器として使用できるようにするだけであり、他のメーカーの機器を校正することはできません。
フルーク・キャリブレーションが提供する RF 校正ソリューション
RF 校正専用に設計されたフルーク 9640A シリーズ RF 基準信号発生器をRF およびマイクロ波校正システムの中心に据えることで、多くのシステム機器やアクセサリーを9640A 1台で置き換えることができます。独自の機能と性能の組み合わせにより、9640A シリーズは汎用の信号発生器よりも優れた製品となっています。9640A シリーズは、手動での操作はもちろんMET/CAL 校正ソフトウェアで自動化することもでき、システム・コストの半減、システムの処理能力の25% アップなどが実現できます。また、オペレーターの時間を最大 50% 解放して、その間に他の業務を行うことができるようになります。
ソリューションを選択する際の注意事項
効率性
トータルの校正時間、自動化システムのランタイム、およびオペレーターによる操作時間を含め、校正にかかる時間とコストは、システムの効率性を判定し向上させる上で重要な要素です。
一般的なRF自動校正プロセスでは、オペレーターが頻繁に介入して試験の設定を変更する必要がありますが、「全」自動化すれば、システムの能力を最大で 25% 向上させ、オペレーターの時間を 50% 以上解放することができます。次の自動化システムの設定変更のための待機時間も必要なくなるので、その間に他の業務を行うことができます。たとえば、Agilent E4407B 27 GHz スペクトラム・アナライザーを校正する場合、メーカーによる校正手順では 27 種類の複雑なテスト設定が必要です。
しかし 9640A シリーズとMET/CAL Plus 校正管理ソフトウェアを使用すると、文書化された校正手順の大部分を1 回の設定で実行することができます。校正プロセスを完了するのに必要なセットアップは後6つだけです。校正時間は、(代表的な例で)4.5 時間から 2 時間に短縮されます。
大幅な効率アップは9640A と MET/CAL ソフトウェアを連携させることにより実現します。 たとえば 9640A-LPNX 用の MET/CAL プロシージャー E4407B では、全体で 2 時間の実行時間のうち、合計 90 分の「無人」時間があります。
校正対象範囲と自動化の程度
ここで言う校正対象範囲とは、機器の種類とそのメーカーを指しています。また、自動化の程度とは、どの程度校正およびその自動化が可能かを指しています。
スペクトラム・アナライザーは、RF およびマイクロ波の校正室内でも重要な校正対象です。9640A は、一般的なスペクトラム・アナライザーの校正に必要な機能を備えており、低位相ノイズの上位モデルである9640A-LPNXはハイエンドのスペクトラム・アナライザーの校正が可能です。
9640A シリーズは、高性能な高周波スペクトラム・アナライザーで必要とされるすべてのテストの 80 ~ 100 % を実行することができます。4 GHz を超える周波数が必要とされる場合は、既存の RF およびマイクロ波信号発生器を併用することで、高い周波数の基準信号を必要とするテスト・ポイントにも対応することができます。
9640A 9640A シリーズの機能、性能は、RF ミリボルト・メーター、レベル・メーター、モジュレーション・アナライザー、レシーバー、カウンター/タイマーなどの校正にも最適です。
RF 校正ソフトウェア・パッケージの中には、単一メーカーの計測器の校正にしか対応しておらず、システム機器もそのメーカーのもので揃えなければならないものもあります。その点フルークのMET/CAL校正管理ソフトウェアではそのような制限はなく、ご利用いただけるプロシージャーの数も増えていっています。
人為的なミスの可能性
RF およびマイクロ波校正は複雑で、オペレーターにも高いスキルが要求されます。それだけの知識と能力を備えたスタッフは他にも多くの業務を抱えているため、これまで校正作業に費やしていた貴重な時間を他の業務に当てられるようになるかどうかは、校正ソリューションを選択する上で重要なポイントです。
既存の標準器、自動化、およびプロセスとの相性
MET/CAL ソフトウェアの Flexible Standards 機能を使用すると、システム内の他の機器を自動化できます。この機能により、手順内の標準器を同等品と置き換えることができるため、特定の基準モデルに縛られることがありません。Flexible Standards 機能は、HP8340、HP83630、Agilent E8254 および E8257、アンリツおよび Rohde & Schwarz のその他のモデルを含む一般的なマイクロ波シンセサイザーに対応しています。
9640A モデルは、校正システム HP3335A および HP8662/3Aのエミュレーション機能が搭載されています。HP3335A GPIB コマンド・エミュレーションは 9640A シリーズの両モデルに標準で搭載されており、HP8662/3A エミュレーションは 9640A-LPNX にオプションで追加することができます。これにより、これらの一般的な、しかし旧型で保守の困難な製品の代替として、プラグアンドプレイですぐに使用することができます。9640A-LPNX には HP8662/3A GPIB コマンド・エミュレーション機能が体験版の仮ライセンスでインストールされており、十分な互換性テストを簡単に行うことができます。
簡易性と間接コスト
多くの機器から構成されるシステムは複雑で、サポートと保守に費用がかかります。9640Aを導入していただければシステム内の機器の数を減らすことができ、ひいては測定の簡素化、不確かさの要因の減少などにつながります。また、システム内の、校正、管理しなければならない機器の数が減ればメンテナンスにかかる費用も削減することができます。
現場での校正
小校正システムは規模が小さくコンパクトな方が、大型システムには不向きな現場にも簡単に持っていけて、輸送コストも削減することができるため、現場での校正には適しています。
その他のアプリケーション
研究開発、製造試験、ATEなどの分野では汎用の信号発生器以上の性能を必要とするアプリケーションは多数あります。信号レベルおよび減衰確度、信号純度、低ジッター、周波数分解能、ダイナミック・レンジ、高精度なモジュレーションなど、9640A シリーズはこれらのアプリケーションで役立つ機能、特徴を多数備えています。
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